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yamauchinamu

news 2008/11/19 08:35:02

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2008/08/06 (Wed)

岸田劉生について調べていて、デューラーの影響と顔輝とか中国美術の影響を折衷させたとか、そういう話はなんとなく容易に手に入る本を見ればわかる。
ちょっと時代を遡って、秋田蘭画とか司馬江漢とか伊藤若冲とかその辺でも、版画などで、西洋美術と西洋化した何か中国美術の書物や版画を見ていたみたいな話を聞く。その西洋式の中国美術ってのは、最近自分で調べたところ南蘋派と言われる清時代の沈南蘋って画家から伝わった技法があって、、、と聞くものの沈南蘋(Shen Ch'u"an, shen quan, 沈銓, 沈铨 1682-1760)や南蘋派についての資料が思ったより少ないのでヤキモキしていたのが正直なところで、

中国美術というと正直なかなか最近の中国の現代美術などイマイチ、ピンと来ないことが多いし、伝統的な中国美術史も情報の膨大さと美術史学者の密教性みたいものがあって、どこから見て良いのか?ってのが狭くて高い敷居のようにも感じていたんですが、昨日たまたま検索していてイエズス会のジュゼッペ・カスティリオーネ(Giuseppe Castiglione、郎世寧 Láng Shìníng 1688 - 1766)って画家が清の王朝に入って暮らしていたと知り、去年の暮れ頃、国立故宮博物院でジュゼッペ・カスティリオーネを中心とした展覧会をやっていたらしい。それでホームページがあって出品作品を見ていてジュゼッペ・カスティリオーネの作品を数枚見ていてちょっと感動した。

百駿図」って絵も図像的に優れてよく見えるのだけど、「画瑪瑺斫陣図」(1759)という絵が美術史的に地域が繋がるように見えてビックリした。これは見れば直ぐわかるけどジェリコーの「エプソンの競馬」(1821)と同じ走る馬の足の形をしていた。ジェリコーの「エプソンの競馬」は通史的には写真技術が登場する前の時代に四本の足の動物がどうやって足を動かして走っているか?わからずに描いた馬の絵で、同じようにジュゼッペ・カスティリオーネも描いている。なかなか、ジェリコーのような露骨な走る馬の絵ってありそうでないので、なんだかビックリしてしまった。また国立故宮博物院の展覧会は司馬江漢も出ていて文脈が見えやすい。多分ジェリコーもそうだったと思うんですが、走る馬の姿がアレでも、歩く馬の姿は未だ自然に捉えていたんじゃないか?と思っていて、ジュゼッペ・カスティリオーネが描いた「儀礼用甲冑を着けた乾隆帝」の絵を見ると、なんか確信することもあった。
ジュゼッペ・カスティリオーネの生没を追っても沈南蘋とほぼ同時期で、ジュゼッペ・カスティリオーネが王朝に関わる人だったようで、彼の作品を沈南蘋が見ていた可能性は相当高い、いやほぼ確実に見ていたと思う。

推測で清かそれ以前の時代に大陸を渡って西洋的な技法を伝えた人がいるぞいるぞと想像付いても、人物像が漠然としていたので、ド・ストライクな人物が判ってとても嬉しい。中国ってあんまり興味がわかなかったけど(いや、接点を何処にみつけてよくわからない)、アジアの文化全般捉える必要も少し感じていて、こういう人が判ったのが凄く嬉しい。

それにしてもジュゼッペ・カスティリオーネがイエスズ会の人というのも凄く納得、日本でも言えるけど、キリスト教の布教のために外人が来日した時、会った人たちはキリスト教に興味が無くても、美術に限らず、教養や軍事とかの技術を知りたくてキリスト教に入信した人も少なくなかったはず、そういうことを思うとイエスズ会のマトリックスは凄い文化だったんだなぁと思う。

更に、僕も不勉強で中野 美代子というジュゼッペ・カスティリオーネの研究家を知った。Giuseppe Castiglione関連の本も出ているようですが「綺想迷画大全」という本も出ているようで大変興味深い。

アマゾンのなか身検索を見よ!もくじにある「ギャロップする馬たち」の項目は、上でジュゼッペ・カスティリオーネとジェリコーの馬についての指摘に何か付け加えられたものにほぼ間違いないだろう。挿し絵に入れられた絵も相当面白そう。

「綺想」というと辻惟雄の「奇想の系譜」が日本美術のカウンター、アウトサイダーみたいな紹介が有名なものの、僕自身の日本美術史が危ういので良くわからないこと多く、辻惟雄のの本を見ると直感的におもうのはそういう技法は日本だけの技法でない、アジア全般の何かと関係或るってのは直ぐ想像付くモノの何だかよくわからなくて、そのようなよくわからないことのガイドになってるぽい。中野 美代子という人興味深い

辻惟雄-中野美代子-澁澤龍彦 ラインが見やすくなると思います(そうぞう)。



2008/08/05 (Tue)

以前から気になっていた國華のDVD(1,312,500円)図書館検索で調べたら、一橋大学が蔵書していて部外者でもみられるようなので、館内でみてきた。画像は、本からスキャンしたものらしく、白黒の画像が思ったより多かった。なかなか、売る相手が売る相手でも、このコストパフォーマンスは問題在ると思うんだけど。全国の図書館で納められてるところが思ったよりも少ない。國華っていうのは日本で最古の出版が続いてる美術雑誌で、普段は季刊ペースで一冊5000円ほどで映画のパンフのようなサイズと内容。ちなみに関東で確実にある場所で部外者が入れるところは

・ 一橋大学図書館 (国立・但し現地で書類を書く必要有り)
・ 芸大図書館 (上野・但し現地で書類を書く必要有り)
・ 東洋大学図書館 (都営三田線白山駅・地元図書館からの紹介状必要)
・ 清泉女子大学 附属図書館 (五反田・地元図書館からの紹介状必要)
・ 東京女子大学図書館 (西荻窪駅・地元図書館からの紹介状必要)

詳しくは検索してしてください。

内容は、大げさな桐箱に冊子と二枚のDVDとセットアップのCDROMの箱が二つ。つまりCDROM2枚でDVD4枚、使用中のパソコンにCDROMをインストールしてサムネイルで確認出来る検索システムをプログラムファイルにインストールして、ドライブに差し込んだDVDで高解像度の画像を呼び込む仕組みのようでした。画像を選ぶたびDVDの交換が起きやすく思ったより作業が面倒でした。DVDが今後も増えるようで一巻目のCDROMのデータを親データにしてその後にデータベースを追加して更新するタイプのようでした。ちょっと確認したところ二層DVDで全部で25GBぐらいで収まりそうなデータ内容でした。勿論、館内観覧ルールなんでコピーなんてしていけません!してません!

思ったより紙より索引がしやすい印象でしたが言葉の検索は出来ない仕組みのようでした。南蘋派や南蛮派、曽我蕭白など調べました。佐竹曙山についても知りたかったんですが、佐竹曙山って國華の中でもド・マイナーな扱いなのかな?ぱっと索引で確認したところ伊東忠太や伊藤ていじも何か書いているようでした。

1,312,500円のDVDは買うのは不可能だとしても、観覧は出来ないくないもので、みたら見たで面白いこともあるので、興味ある人は見てみると良いと思います。

日本美術を網羅する入門するという意味では、比較的普通の図書館にもある橋本治の「ひらがな日本美術史」シリーズも画像が多く容易に見られるという意味で良い本でした。



2008/08/04 (Mon)

日本の洋風画 Combining painting of Japan
近世から現代にかけての日本の洋風画について画像がなかなかネットにないのでflickrにまとめてアップしておきました。flickr規約上、一ヶ月単位ごとに内容を増やしていくかもしれません。
元々、僕の文化の関心は、戦後の現代美術やサブカルチャーだったんですが、以前、東京国立博物館「世紀の祭典 万国博覧会の美術」、東京国立近代美術館「未完の世紀:20世紀がのこすもの」、MOTと芸大の美術館であった「再考:近代日本の絵画 美意識の形成と展開」
この3つの美術展を見比べたことが印象的で、違うテーマで20世紀の日本美術を問うものでした。

「未完の世紀:20世紀がのこすもの」をみるとだいたい、この展覧会自体お約束になって20世紀の日本美術というものがだいたい判る。
そのカウンター的内容で「再考:近代日本の絵画 美意識の形成と展開」という内容
そもそも、美術展や、美術というジャンル自体、博物や博覧会という興業から派生したのを物語る「世紀の祭典 万国博覧会の美術」

この三つの展覧会を見比べると被る作品もあるし、此処の展覧会でしか出てこない作品がありました。それぞれテーマが違う展覧会なので、そのようになるのは当然ですが、そこをカタログで注意深くみていた時がありました。
そこで思うのは日本美術の軟弱さは、10年20年ぐらいの短いスパンでは良くわからないこともあるけど、200-300年ぐらいのスパンでみると結構面白いこともあるというのと、一見、メインカルチャー的な物があってカウンター的な文化が時代を塗り替えてる様に見えて、実はメインもサブも無く、小さい文化が常にうごめいているだけっていう特徴もある。そういうことに気づいたら、凄い日本の近世から現代にかけての文化は面白く興味を持つようになりました。その上、基本的な教養になってるところもあって、割と普通の図書館とかに文献があったり、岩波文庫並みに安い本も売っていて調べやすい、但し、ちょっと情報を掘りこむと急激に文献の価格が上昇することもあるんですが。。。
日本美術が特別優れてるとも劣ってるとも思わないけど、身近だし特徴として色々興味深いことも結構あります。

そういうこともあって、自分自身も関心あるし更に研究したい話題で、自分の興味の自己紹介的にも使えるし、また更にそういうことにこれから興味持つ人が増えると嬉しいし、いつかそういう人に教われることもあればと思ってflickerに画像をアップしておきたいと思いました。

http://www.flickr.com/photos/22081105@N03/sets/72157606419824427/





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