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yamauchinamu

news 2008/11/19 08:35:02

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2007/03/03 (Sat)

秘密の知識―巨匠も用いた知られざる技術の解明
青幻舎/デイヴィッド ホックニー


美術の作品を見るとき一番大事なことは質を見抜くこと、質の見抜き方は二つある。一つは歴史の中での様式や方法の違いの中で読み解き方のユニークさを見る。二つ目は技術、どのような方法や素材でどのように出来ているか?精度や規模でみる。

近代以前の作品は物語の表し方、質感、描き方、支持体など色んな見方で楽しめる作品が多かったけれど、二〇世紀の作品は大根役者のような、技法であれ、モチーフであれ、何か少ない視点や演出に特化される作品が多くなってしまった。さらにそれもネタ切れ傾向で、ミクロにローカルな事柄や、時事的なニュースのような作品が多くなってしまった。それは視覚的な経験としては貧しいこと、体系的に網羅するとしても、かなり骨が折れることと思う。
また、古典的な作品の扱われ方も、歴史と見合わせてシルエットでアイコン的に図像が読まれ、いちいち細かい注意は払われないし、知ってる、知らない、見たことある、見たことない、、、と言った簡単な感想で済ませられるのが現状のような気がする。

言うまでもなく、媒体や道具の発明が、新しい様式の作品を生んだことがある、カメラの発明、絵の具のチューブの発明、アドビのソフトの発明など言い出せば切りがない。また、失われた技術というものも確かに存在する。
この本は、美術史家的な資料の検証と証明が少ない分、画家による描き方と図像の検証によって半分妄想的な論が広げられている、実際にそのような技法が当時使われていたのかも知れないし、いやホックニーが此処に出てくる作品を見た想像力が生んだだけの話なのかもしれない。

西洋の絵画史では、写真機が発明される前に写真のような絵画とそうじゃない絵画がある、写真機の発明と一口に言っても、薬学的な感光方法とレンズの発明が合わさったもので、レンズと暗室だけのカメラ・オブ・スキュラーの発明は写真機の発明より相当古く、その道具が絵画制作に活用されるようなことがあっても可笑しくない、明らかに視覚を座標化してマッピングしたりトレースする道具が使われて写真機の発明以前に写真のような様式の絵画が出来たとみて可笑しくないと、それをホックニーは実践的に証明しようする。

多分、ホックニーも写真のような絵画が優れてると言いたいわけでなく、写真のように見える絵画のユニークさを、絵画をみる一つの面白さとして紹介しているように思う。
又、近年ゲルハルト・リヒターのピンぼけ写真のような絵画が、ある写真と絵画の関係や絵画史で語られることは、本当に本当にそのような技法と歴史観の中でとても些細な技法に過ぎないと思う。その分、この本がリヒターの過剰な評価をカウンター的に止める意味があると思う。

ホックニーは今までとても誤解を受けやすい作家だった。ちょっとウマヘタな絵を描き、ゲイで、西海岸に住むカウンターカルチャーのアーティストとして誤解されてきたと思う。
しかし、ホックニーの生涯の作品のテーマは、printという行為とpaintという行為を行き来する不具合や互換性を丁寧に追う作家だったのではなかろうか?と思う。paintという行為は描く行為そのものであるけれど、printは写真も版画も印刷もファックスも一纏めにprintという、描くようにprintし出力するようにpaintする。そういう作家が老成し作品規模を増やし、こういった過去の作品を追うことでprintのpaintを証明しようとすることで、自分の作品の裏付けにもなる、ホックニーこそ老成することで、遅れながら現代生きている作家で巨匠となった一人で、この本の出版でホックニーは巨匠になれたと言っても間違いないと思う。

ちょっと高い本だけど、美術に興味があって現代的な見方にそれなりに精通していて、古典絵画に興味があるけど、どこからどのように手を付けて良いのか?と思う人に僕は強力にオススメします。


イギリスのテレビ局BBCで放送された、この本に関する番組などもDVDなどに是非ソフト化して欲しいと願います。







2007/02/21 (Wed)



>子供のころ とても無邪気で 楽しくて
>そのままで いつのまにかきてしまったけど
>今では 人は しぶい顔をする

>子供のころ なにかはわからないけど
>自分にあったことをすると 心に決めた
>今はそのときのつづき
>そう! みんな ただそのときのつづき

「わたしはカズオ」 1970頃 作詩:楳図かずお


年が一つ、ふえました。























2007/02/04 (Sun)

wikipediaのアート欄は情報が少ないなと思っていて、いや基本的にアートってジャンルは、アートアンドテクノロジーって言葉はあっても、基本レベルでは相当テクノロジーに弱いジャンルで、情報非公開・一見さんお断りの話題は多い。しかし、そんなんじゃコモンセンスの底上げって効果がないなぁと思うこともある。

wikipediaの記入をはじめてみた。ちょっとちょっといじっているんですが、なんとなく記入の仕方が判ってきた。 いきなり新規キーワードを作ることが出来ないみたいだけど、しりとりみたいに新規ワードのリンクを文中に作っていくと、新規の言葉が出来るんだなと

それで、はてなにあったキーワードを元にフォーマットを微妙に変えたりあわせて「平行芸術展」を記入してみた。
wikipedia - 平行芸術展
はてな - 平行芸術展

試しに目安で、出品作家を全てリンクがかかるようにしてみた。平行芸術展が凄い興味ある訳ではないけど、目安として記入してみた。キーワード化してない言葉は赤くなる。 ここに出てくる100人ほどの作家名は半滅している。wikipediaから無いだけだけど、世の中的に忘れられてるけれど活動している方も居るだろう。こういうもんなんだなと、おもった。

僕のwikipediaの記入で最終的に完成させたいのは
記入中というか以前作った、美術史年表 - PukiWikiから、一部情報を日本で開催された展覧会の一覧 - Wikipediaにフォーマットをあわせて記入したいと考えてている。

僕の狙いはアートのコモンセンスを底上げしたいということで、歴史家として大成したいことではないんです。あとこの作業は非常に手間がかかる。そこで是非この項目が書かれていない!と思うことがあれば是非ドンドン誰でも記入していくと良いと思うので記入してください。






僕も参加したオペラシティアートギャラリーのproject N。この展示はシリーズ化していて、僕は27番目です。いままで、project Nをやった方がどうなったか?
作品の好きこのみは置いておいて調べてみた。 検索で見る限り、小西真奈さんが結構頑張れているなと思った。

しかし一番ビックリしたのは今野尚行さんの絵が、ヤフオクで売りに出ていた、小品で、そういう実績で売るぐらいなら買うな!(それも買った金額で)と思った。 今野尚行は凄いとは思わないけど、悪いとは思わなくて、しかし複雑な気分。

しかし、project Nの企画や作品は全般に印象悪くないと思うんだけど、僕も入れて嬉しかったんだけど、project Nの出品した作家の扱いが例えば20年後ぐらいに、平行芸術展に出品した作家のようになっても全く可笑しくないと思います。



なんか今日本でコンテンポラリーな絵を描きたい人の傾向で、オペラシティのproject Nや、水戸芸術館のクリテリオムや、VOCA展に入って、ギャラリー契約も出来れば、安泰って風潮が無きしもあらずだけど、そういうもんかなぁ?って思うのと、海外かぁ?って思うのと、考えるね。



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