2007/01/26 (Fri)
雪の花―楳図かずお幻想ロマン 去年ぐらいから出ている楳図かずおの貸本時代からの復刻は、漫画の面白さと言うより歴史的な価値の側面が多く、全般的に短編なのに一冊3000-4000円と高価な物が多く、僕も今のところ全部揃えていないし読めていない。しかし絶対今後復刻が想像つかないものが多く買うなら今だろうなと思う。
「雪の花」って話は、帯に「漂流教室に先行するタイムトラベルの....」と文句はあるけれど、漂流教室じゃなくて、「イアラ」のプロトタイプみたいところがあると思う。
例えば「わたしは真悟」のプロトタイプが「ねがい」や「怪獣ギョー」とあるように、「イアラ」のプロトタイプが「雪の花」とおもう。それで結構面白い。
僕が、楳図かずおの漫画で好きなのは「わたしは真悟」と「イアラ」です。
ネタバレのあらすじ(以下の文字をなぞって読んでください)
一部
多分戦後の現代、彫刻家の結城という男は、加也に献身的に好かれていた。
結城は昔風の女の彫刻を彫れないと失敗作を増やしていた、作りつつも悩んでいて、雪男がでると噂の山に登ると小さな小屋をみつけて、掘り出す。すると、雪女のような女が現れモデルに彫刻を掘ると良い作品が出来た。彼女に名前を聞くと「雪...」と言われた。
二部
昔の時代、雪絵という娘が、求婚迫られるがそれが嫌で、山に登ると小さな小屋をみつけて、中で彫刻家の男に出会う。そして彼のモデルになる。彼に名前を聞くと「ゆき(結城)...」と言われた。その後、雪絵は彼が好きになり、彼の形見に失敗作を持ち帰り、許嫁と結婚したが、その「ゆき...」という男を忘れられず死んだ。
又、いつしか山小屋の場所から雪男がでるという噂が立つ
三部
再び現代、
年頃の令嬢レイ子が、先祖代々の彫刻を大事にしている。ある日、彼女が彫刻展にいくと、優秀賞の作品が、先祖代々の作品と非常に似ていると気づく。
結城は、自分の彫刻展でレイ子が、「雪...」と名乗った女性に見えてしょうがない。
二人は運命的な出会いを感じる。
加也は村を出ていき戻ることはなかった。
(おしまい)
※物語が反復しており、コマがコピーしたように同じ絵柄で、結城と雪絵の視線で台詞が出たりする。
南川史門「エジプト、貴婦人、丸と四角」展 【MISAKO & ROSEN】
を見てきた。チクテの中の人こと南川史門くん
MISAKO & ROSENのオーナーは小山登美夫ギャラリーに居た人が独立した方だそうだ。
小山登美夫ギャラリーの印象は僕なりにあるけど、中で働く人は別だと思っている。だけどよく知らない。
場所は、以前大塚にあったTAKA ISHIIがあった場所だそうだ。
TAKA ISHIIが大塚にあったとき、実は一度も行ったことがなかった。
展示の内容は、"ほどほど"でした。多分、"ほどほど"いうことが強みなのだろう。
藤森 照信「人類と建築の歴史」
一通り読んで面白かった。
わりと建築史入門としても、20世紀建築とか知った上でも読んで面白い本のような気がします。ページも少ないし読みやすい。
四大宗教が出てきて、それまでの原始宗教の対象がどう変わったか?というと、収穫や出産や太陽とかにまつわる物事に対する信仰から、神の物語への信仰の変化が、大きいとし
歴史の流れが、磨製石器が出来て四大文明が出来て四大宗教が出来て、いろんな歴史様式や文化が発展し膨らみ多様性を産んで、大航海時代を通して、産業革命・モダニズムとなると多様性って面でかなり多様性という面で少なくなったと
その歴史線の形が飴玉の形に似ていると>○<
案外、ああそうかと思ったのは、ミニマリズムとか、その辺の四〇年ぐらいの文化とか、ざっくり、四大宗教から原始宗教にまつわる様式の変化に逆行するような感覚があり
本文中、ストーンヘンジや、エジプトのオペリスク、諏訪大社の御柱や、巨石信仰など、各地にある同じような信仰のある物として書いていて、今そういうのをリチャード・セラとか、「物質の純粋性が...芸術を,,,」と言った話題とかと繋げて連想しやすい。
しかし、ロザリンド・クラウスが、「展開された場における彫刻」で、アースワークとストーンヘンジのようなものの違いを何か言ってなかったっけ?とか
森万里子が最近、あからさまにストーン・ヘンジみたいことをやってるよねとか
こういうときに、歴史が終わったとか、終わらないとか、言い出しても結構ナンセンスで、原始宗教から四大宗教の発展と言っても当時としても、結構長い間、歴史のぶれみたいのもがあったんだから、今は今の歴史のぶれを受け止めていれば、それでいいや、と思ったりもした。
あと直感的な物ですが、案外、建物の高層化とか東京タワーなどでかい建物に萌えるってのは、原始宗教のようなものかもね。
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