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    exhibition 2000 : itochu gallery, takashi yamauchi
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    会期
    2000年7月21日(金)~ 8月23日(水) ※[土日祝休]
    作品説明会8月4日(金)18:30 ~ 〜その後作家を囲んでの簡単な懇親パーティあり。

    主催・会場
    伊藤忠ギャラリー  東京都港区南青山2-27-21 (地下鉄外苑前駅より徒歩3分)

    Tel
    03-3497-1261

    Fax
    03-3497-8665

    URL
    http://www.itochugy.co.jp

    MAIL
    info@itochugy.co.jp

    開廊時間
    10:00 ~ 18:00(土日祝休)入場無料


    展覧会主旨
    伊藤忠ギャラリーでは、<伊藤忠ギャラリー・サマー・ショウ>と題し、若手作家のプロデュースと、プレゼンテーションの空間を提案いたします。山内崇嗣は、1998年武蔵野美術大学卒業後、広島の灰塚アースワークスや、金沢市現代美術館建設準備室の第6回目プレ・イベント、ハラルド・ゼーマン講演会の同時開催『豪華粗品!!』(金沢美術工芸大学美術部主催)への出品 等、各地の現代美術イベントに精力的に参加しており、今後の活躍が期待される若手作家です。チェックや花柄の布地をキャンバス代わりに、そのまま同じ柄をその布の上に転写して描写した作品を初めとして、トートロジー(同一語反復)的な作品は、絵画の醍醐味を味わえると共に、ポップでキッチュな様相を醸し出しています。立体作品では、レゴ・ブロックやトランプ・タワー等、図画工作のような遊び具合が、作品として大胆に提言されます。さらに、キャンバスの木枠に直接衣服を被せて作品としたり、木枠をキャンバスからはみ出してみせるなど、過去の歴史的アーティストの偉業を挑発するかのような作品を次々に生み出しつつあります。今後の彼の展望と可能性を見い出し、ここにプレゼンテーション形式の個展開催を致します。是非この機会にご鑑賞下さいますようお願い致します。


    山内崇嗣について−絵画と模倣・その「ごっこ」と描写性−。
    山内崇嗣の作品は、柄が描かれている。あるものは赤いチェックであり、あるものは青いチェックである。中にはうさぎ模様やアロハ柄、千鳥格子までみられる。シンプルに、簡潔に、幾何学模様としてのパターンを追求しているかのように見える。キャンバス代わりに柄のプリントされた布の上に、同じ柄を描く独自の手法をとっている。トートロジー(同義語反復)的なこれらの作品の多くは、学生時代に描かれたものである。
    その中に、シャツの形状そのままの状態のものを、キャンバスの矩形に張り付けてしまったものがある。本人いわく、ちょうど転換期となった作品だそうだが、その支持体(青いチェック柄の半袖シャツ)には、上下180度回転させたその模様の描写が、拡大再現されて、支持体の上に(クレヨン描きで)投影される。
    立体の作品では、レゴ・ブロックでレゴ・ブロックを作っている。他には、プラスチックのビーズ(熱で容易に溶着する、子供の教育的遊び用品)でビーズの形状を再現する。果てには本年、スチロール・ボードで巨大トランプ・タワーを制作した。これらすべては、子供の工作あそびのための道具(素材)であり、図画工作的材料でもある。

    彼の作風に一貫して受ける印象は、「図画・工作」的であるということ。そもそも、美術を教わる前の、小学校での美術の授業は「図画・工作」である。彼は生粋の『アカデミック』を遵守した、時代の落とし子なのかもしれない。
    「遵守」というと非常に優等生的な響きがし、追随からは新しい絵画性は生まれてこないと想定するが、作品から受ける印象は全く異質なものである。本人の持つ独自性とユニークさがそうさせるのか、決してエリート的答案用紙は出てこない。この作家は絵画や美術を真っ向から捉え、正面から向き合っているのだと思う。しかし出来上がるのは「あれ?」というようなズレを生み、そのズレが我々を存分に楽しませてくれるのだ。

    絵画(美術)のルールに則(のっと)りながら、既存のレールから堂々と逸脱する。現代的リミックス・テイストを添えて、彼のことを晴れて『ネオ=アカ』な人、と呼びたい。 (伊藤忠ギャラリー 中井里美)