僕が小学生のだったころ、本当に普通の小学生で勉強も多分並より低く、運動もさほど出来たモンでもなく、美術の成績は良かったが誰かに自慢出来るようなスタンスでもなく（当時は美術が出来るよも運動神経が出来るほうがさほどカッコイイのだ）漠然と工業高校でも卒業して市内の企業に就職してと考えてたものだ。その当時の僕の想像では、金沢大学は凄い頭が良い人が行き、例えば、6大学と呼ばれるような大学に行く人は、もう想像つかないようなことをしていて、東大なんか行く人は神だと思っていたものだ。
　僕の小学校の学年は60人ほどで2クラス。もうその中でしか世界がなかった。
　そんなクラスメイトの中でも比較的お金持ちで今思うと比較的努力して勉強して、頭の良い中学を目指す連中は、学習塾「能力開発スクール」（凄い名前だ略にして「能開」）に出向き、あまり僕らのような馬鹿らしい遊びには付き合ってくれなかった気はする。そんな彼らもそのうち例えば金沢大学でも行くのかなぁとか考えてはいた。
　そんなクラスメイトで一人非常に印象深い人がいた。彼とは幼稚園も同じで、お金持ちで家も広く勉強も出来て運動も出来てモテる、その上彼はそれに苦労しないで出来てるスマートさがかっこ良かった。
彼の家は某宗教の支店をしている家で、彼の家に行くと友達の僕も手厚く歓迎された覚えがある。
　そんな彼も物心つく頃、自分の家の仕事に反感をもち、家を継ぎたくないと考え、例えば京大など頭の良い大学を出て仕事につき家は継がないと考えてたようだ。僕には当時京大はどんなとこか分からなかったが彼なら、それは出来るだろうと思っていた。案の定、金沢でも随分と頭の良い大学に入学はしたが、ウマが合わないかったのか？将来の方針を間違いだと思ったのか？数ヶ月で学校はやめ、ヤンキーになり、警察へ暴行事件を起こし、海外へ逃避行、その後チンピラになったという話しをなんとなく聞いている。その道の世界や彼のその後の世界や物事について僕はしらないが、絶対彼は何処かで勝ち組的なウハウハぶりをしてるに違いないと僕は思っている。彼は凄い奴だったと今でも思う。
　その他のクラスメイトのこととかも思い出して書きたいと思うが、長くなるので略。
　そんなクラスメイトのそんな学年の成人式兼同窓会があった頃、僕は当時の担任から僕への第一声は「どちらにお勤めですか？」で自負した通り、人にもそう見えたのだろうと実感してた。

　その後結果的に、「能開」に行ってた比較的頑張って勉強した人達は、6大学系だとか、何処か、当時の僕には想像つかない大学に入り卒業し就職したと思う。

　僕は、小学生の頃からちょっとした手仕事っぽいことは好きだったが、地元の美術大学には行くほどの人にはなれないと考えていた。しかし当時美大の卒業展など行くと思ったより大したことないし面白い作品とは思わなかった、しかしみんな面白いとか面白そうに鑑賞してるように感じていたから、僕には分からない良さが何処かにあるものか？誰が何を良いとしてるのか作品よりも見てる人を観察してた気がする。
　そんな当時の僕には想像もつかなかったことだか、東京の美大に行き、アーティストってことで海外の展覧会にも招かれと、よく分からないことを実現してしまった。
　今になって思うと、知人で小学生の僕がもうすこぶる頭がいいとされる大学もでた人も知人で居るし、彼らの思うこと考えることなど遠目であるが分からなくもなく許容範囲に収まる話題も少なくないと思う。
しかし、僕は凄いなぁって思う人は何処か僕には想像も出来ない発想と行動力みたいものを持つ人には非常にあこがれるし、凄い人にはそうあって欲しいと思うのだ。

　例えば小学生の僕が今の僕を見て凄い人と見るだろうか？凄いと思うのかもしれないけれど、やっぱり凄くないことなんだよなと今の僕が今の僕を考えると思った。なんてことを考えてたら、凄くせつなくなった。