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yamauchinamu

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死体を見たことがある

Last Update : 2003/02/03

 中学の頃か僕は、腕の骨を折っていて中学のまん前、いや少し斜めあたりに離れた病院に通っていた。
 ある日のこと放課後中学の正門の前の大通り付近に救急車が止まり野次馬の人だかりが出来ていた。僕は病院に行く前にその現場を見に行った。どうやら、屋根で作業してた人が手前の駐車場のコンクリートにたたき付けられたらしい。恐ろしい量の血が、ドロリとしたタールのように流れてた、怪我をされた方は既に居なかった。
 日差しが強かったせいだろうか?流れ出す途中で固まるものなのか未だに良くわからないが、もしも血が人の体から流れることを想像してもあんなドロドロとしたものになるとは考えてもいなかった。血はそんなものなのだろう。

 そして僕が通う病院で、その怪我をされた方は運ばれたようだった。僕の診断の部屋に入る途中か?興味本位かはもう忘れてしまった。だけど見てしまった、顔は血だらけになったところを拭いても細かい隙間、鼻や耳や髪の毛の生え際にまだ残って、ひび割れそうに固まっていた。穴という穴から血が流れていた、鼻や耳や口から少し流れてるようだった。
 凄い短い瞬間だったと思う。ワクワクしてみたというか、見たらやっぱり怖かったというか、なんともいえないものを見た気がする。お葬式にある死体みたいものでなくて、もっとわかんない感じ死体は物に見えてしまうけど、何か怪我してる人が横たわってるのか?よくわからないかんじ。多分既に死んでた気がする。

 本当に短い瞬間見ただけだったけど、あの瞬間を思い出せるとき自分はまだ生きているって気分を感じさせられる。その後、ある人に出会ってリストカットする話を聞いたのだけど、結局あれは自分の血を少し眺めて生きてることを実感する行為だと思う。僕は自分からそのことをしたこともない関係ないことだと思うけど、あの日のことを思うとリストカットで流れる血なんて血じゃないと思う。