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高校の頃の先生の話

Last Update : 2003/02/06

 僕の行ってた高校は新設校で僕は5期生だった。そのうえ僕の居たクラスは地元でもあまり例のない実験的な美術音楽の専攻クラスで、多分殆どの先生が一つ学校の行く末に気をかけるクラスだったんだ。そのなかで僕は美術進学コースに入っていて、美術の顧問も担任と同じくらい近しいような関係だったと思う。美術主任の先生が、人間国宝の娘さんと結婚されていて、なんだか凄く、学校の中の風景が、個人的にも、教育委員会だとかそういう政治的にも、かたぐるしい感じを受けていたような気がする。
 あるその美術主任の先生の僕に対する発言が、恐ろしく僕のかんに障り思わす「先生は金沢美大の教授になる順番待ちをここでしてるんでしょ」と言うと、「おまえに言われたくない」と良い返され、そのときの会話は終わった。
 真意は良く分からないが、あれは言ってはいけないことだったなと今頃すまないと思った。


 そういえば別の美術の先生に「やまうちは現代美術がしたいんか!現代美術はお前みたいなパーじゃ出来ないぞ」と言われた。なんとなくその言葉の裏腹に地味な具象絵画はパーでもできるとかいった反語が見え隠れして感じた(その先生は具象画家だった)。
 その言葉を今思うと、現代美術もパーでもできる、ただ現代美術のセオリーを具象美術の人が読めず、逆のことも成り立たないことが今の世の中で、それを翻訳的に読み込める作品を作れる人は頭が良いし、現代美術の世界でも具象の世界でもあんまりそういう人はいないってことだ。あと昔の画家は作品をよく見ていたし圧倒的に頭が良かった人が多かったと今は思う。