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wien-berlin-paris-lyon-nice-paris (2001) フランス編

Last Update : 2003/02/04

そんなこんなでフランス入り、目的は勉強。今まで興味あったけど、中々お目にかかれないスポットへいざいかん、とパリへ足を踏み入れた。しかし正直フランス語の流れが全くわからないので不安が多かった。様子みてフランスの教育庁がストライキの為、ルーブル、オルセー、ポンピドゥーが閉まっているらしく、シバルの理想郷(フランスの珍宝館)目指して宿泊予定地リヨンを目指す。



リヨンで宿泊しシバルの理想宮最寄駅、ロマンス駅からバスで向かう、バスの運転手の叔母さんの運転が手洗い100km平気で出してる、軽自動車に追い抜かれると文句言って抜き返そうとするそんなバス運転手見たことない。風景は文句ない田園風景が広がる。

まず彼の作った理想宮へ、山岳地帯なのに貝殻や珊瑚など海のものが多く集められてる。また部分的に壷など既製品が埋められてる部分も見受けられる。全ての部分が彼自身によって作られたものでもないのだが、その埋め込まれてる部分から塑像を広げてて作られてることが面白い。またスケール感が模型としては多き過ぎて、住居としてはやや小さいと、優れた彫刻のような微妙なスケール感が面白い。

僕がその建物を知ったのは多分高校生か大学生のころ、アンドレ・ブルトンが発見した怪しい建物ってことで知ったと思う。その後、荒俣宏などがいたるとこでで紹介していたことと、何人か友人が行った感想を聞いて興味を持って行きました。実際まじかでみて、やはり何か文献で読んでいるとその物が急に床から迫り出した印象を持ちやすいのだが、周囲の暖かさも合い間って少しづつすこしづつ出来上がった賜物だという、あたり前といえばあたり前のことを実感できた自分に驚く。



ロマンスから、次の目的地ロンシャンの最寄り駅ベルフートへ行く。夜行経由でその地へたつと既にロンシャン行きの電車はなく、しょうがなくタクシーで向かう、




この土地へ来たのは、ル・コルビジェのロンシャンの礼拝堂を見たい為、その建物は一度廃屋と化した教会を修復する目的で立てられた建物だとか、行く前から幾つか資料を見て行くのだが、現地で見た建物は資料のままで思ったより驚きがない。その付近にある多分コルビジェが設計したと思われる宿舎の設計のほうがむしろ興味深い、モダニズム建築の上に屋根に草をはやし建物を覆いそうなくらいで近くのに芝生の傾斜が多い被さりそうな庭づくりなど。期待しなかったディテールに興味をそそる。



またベルフートへ舞い戻り付近の煙草屋に入ると、駄菓子コーナーに気になるものがある、只の気の枝が並べられてる。食べものなのか?何処かで聞いた歯ブラシの習慣なのか?はたまた別物なのか?聞いて見るとどうやら噛んで味わうものらしい。味はなんとなく小さいころ噛んだ割り箸のような味がする、それよりほのかに苦いような気もする。美味しいものではない、けれど人生経験ってことで噛んでみてた。



ベルフートから夜行でニースを目指す。2等車の夜行に乗る。相席が少し不安になるけど、部屋に入ると若いおなごと二人っきりだった、彼女は何処から来たんだろうか?とか色々気にはなったけど、なんだか眠そうだったし僕も流暢に話せないので、精々電気暗くして良いとかダメだとかそんな話題ぐらいしかできずニースに到着。



まずマチス美術館へ、マチスの作品はまんまマチスで良いのだが、例えばトグロをまいた照明シャンデリア等全く僕がしらない類の物も見受けられて嬉しい。またマチスの教会の絵にいたる原画や模型やステンドグラスのプロセスが見られて楽しい。遺留品も数々展示されており、僕の好きな作品「赤い大きな室内」に描かれているテーブルのモデルまで置かれているのに驚いた。この美術館は色々興味深かったので日を改めて訪れる。



ニースの海は綺麗。



翌日ニース最大の目的の為、やまなりの街ヴァンスへ向かう。その目的はマチスが設計した教会へ行くこと。この建物は以前岡崎乾二郎さんの「経験の条件」で読んでいたものの、実際にはそれにあまり書かれていないことも色々興味深く拝見する。まず驚きとしてコンセプトが非常にシンプル、3つの壁画、3色のステンドグラス、3段の祭壇、三つの照明。3と言う数字はミニマリスティクな素数に見えてそうでないようにも感じる微妙さを感じてコンセプトに感心するのだが、あとでそれを友人に話したところ三位一体に掛けていると聞いて別の意味で関心する。その他細かいところであの漫画のような壁画とアヴェマリアの壁画の間にあるドアは何かなと以前から気になっていたもの、良く見ると告白室への入り口のようだった。
ステンドグラスにも関心した、色は青色、緑色、黄色で構成されているのだが、青色、緑色のガラスは透明色、黄色のガラスは不透明色でできており、床などに移りこむ日差しが黄色が抑えられその他の色が強調されて、ホワイトキューブな空間がやわらかく薄蒼い色で落ち着きをもっている。
その他、ステンドガラスが構想時モザイク状で色数も多かったころの模型や、可愛い祝祭時着ると思われるマチスがデザインした神父の洋服も可愛い。



教会帰り時間が空いたので近くのアンテーブと言う町のピカソ美術館へ向かう、しかし休館悔しいので後日訪れる。思ったより大したことない、ピカソよりその美術館で展示されてるド・スタールのほうが嬉しい。



10月半ばでアンテーブの海で海水浴。
地中海って凄い。誰かに生で見せたいと思う。



パリへ戻る。期間中パリ在住の日本人写真家のお宅に居候。未だ教育庁がスト行きたい美術館が殆どしまってる。ルーブル、オルセー、ポンピドゥー閉まってる。皆が何故か良いと言うギュスタブモロー美術館も準備中で閉まってる。ふらふらギャラリーなど、さまよう内に以前から非常に気になっていた、スペースインペーダーのダギング?を発見。
スペースインペーダーのダギング?とは何かといわれれば、タイルでインベーダー型のものが貼られたもので、彼は東京にも何度か来ているようだった。もう2.3年ほどまえから原宿や渋谷や代官山でみつけあれは何と聞いていくうちに、どうもフランス人でどうの?って話は聞いていたけどフランスでも見かけられて嬉しい。



その他パリのピカソ美術館へ向かう、僕は多分熱心にピカソはあまり好きではないのだが、あの紙模型のようなギターなどの彫刻は大変好きだ。それらが幾つもあってうれしい。



パリ郊外のル・コルビジェの建てたサヴォア邸へ向かう。あのUFOのような建物だ。後悔はしないのだが驚きはない。
そこで感じたのはやはり今日本で代表する建築家磯崎新などの一つうえの世代はコルビジェの事務所に勤めたが居たり、東京にもコルビジェが設計した建物が今でも残るので、日本国内において非常にコルビジェ神話が僕にも響いていることに気づかされた。
勿論フランス国内においてもル・コルビジェは重要な過去の建築家とされてはいるが、日本のル・コルビジェ神話ほどののもではないと思えた。

以前聞いた話、コルビジェは事務所を開いていたころ彼の元で働く人に給料を払うのではなく、授業料としてお金を貰っていたらしい。またサヴォア邸にしろロンシャンの礼拝堂にしろ交通の便がいい所にあるわけもない。当時彼にとっても今の建築家と同じように建築物の誘致は優しいものではなかったのに違いない。
また、当時コンクリートが今のようにシステム化してない頃、そのような建物を植えるをこも大変だったと想像つく。

そのことを踏まえて感じるのは、今の神話化したル・コルビジェ先生ではなくて、一設計者としてのコルビジェさんでした。それはなんら八百屋や農家と変わりなく、八百屋や農家と同じぐらい凄いと言う極普通の人間像が見えた気がして好感を持てた。



旅行期間中幾つか、ヨーロッパのアートインレジデンス施設を調べていたのだけど、パリではシテ・デザールを見学に向かう。しかし時間が夜7時ごろ、どう考えても多分施設は閉まっているはず、建物付近見て帰ろうと向かう。
すると手前に東洋人らしい人が、そこへ入ろうとしてる。思わず声を


僕  :「あの、中の施設を見学したいのですけど」
東洋人:振り返り「あ」
僕  :「あったことある!」
東洋人:「山内くん何してるの?」

以前「豪華粗品」って展覧会で一緒になったキム・キョンジャさんだった。お互い驚く。施設内で、旅行話やレジデンスの話で盛り上がる。しかし驚きました。