2005/07/31 (Sun)
僕の好きな楳図かずおの漫画でこういう話がある。 「Rojin」 あらすじは、 ------------------- ウナギ屋の息子で核家族とおぼしき子供の、まなぶ君はある日空き地に出来たくぼみである、生き物というか怪物に出会う。その生き物は、手や顔は無数に、ひび割れ、汚い、背中はエビのように折れ曲がり、頭には毛が殆どなく、生えている毛は白い。その生き物は自分の事を「ロウジン」と名乗り。その深い穴から出られるよう助けて欲しいと少年に願い出る。 人間は20才で死ぬと思っているマナブ君は、「ロウジン」の話がどうも信じられず、石を投げつけたり、穴にフタをして、生き物を捕まえたといったそぶりを見せる。 しかし、息抜きにこっそり吸っていた煙草を穴に落とし、交換条件で、「ロウジン」を助ける。その時いくつかの駆け引きや問答を「ロウジン」から、マナブくんが受けるうちに、「ロウジン」の素晴らしさに感銘し自分も「ロウジン」と呼ばれたいと思うようになる。 -------------------- 綾辻行人が選ぶ!楳図かずお怪奇幻想館 やさしい『唯脳論』 楳図PERFECTION! 1―楳図パーフェクショ1 [豪華愛蔵版] 楳図かずお・イアラ (多分この4冊に入っている短編)
最近、内藤ルネ、楳図かずおの講演会と、濃いい年寄りのお話を聞いて、この漫画のことを思い出しました。
内藤ルネお茶会@弥生美術館のメモ ある方に、最初予約したけど最初のメンバーが何人か行けなくなったので、、ということで、あんまよく知らないし。もしも補欠で空いたら行くといったら、行く事になりました。 僕的には、内藤ルネさんは面白おじさんだったけど、そこで「面白おじさん」というだけで場の空気を壊しそうな予感がしたのでなるべくしゃべらない。ハードコアの内藤ルネファンのおばさんやゴスッ子が溢れかえり、久々に「うぇ」って思うくらいの女子校ムード。お話は凄い面白かった・
「沼津が面白い」 →せんせいは静岡に住んでいる。 「オダギリジョーくんと妻夫木聡くんが可愛い。」 →せんせいはゲイ。 「寅年のO型と、申年のAB型は性格が反対」 →根拠が判りません。 「年が判っちゃうね」 →別にいいじゃねーか。 「メモは大事。新聞で好きな人のおくやみコーナー集めが趣味」 「死ぬの(死にたくなること)を忘れる」 「首を釣るときインド製のシルクスカーフが良い」 「死にたいと思った時、30分ガマンすると生きていける。」 →禁煙したいとき、煙草が吸いたいと思ったとき3分ガマンすると辞められる、という話がある。 「ありがたい」 →会話の所々にでる。感謝の気持ちは大事。 「セブンイレブンはバックにイトーヨーカドウーがついてるのでカラーコピーの性能がドンドンよくなる」 →イトーヨーカドウーとカラーコピー機の繋がりが良くわからないけど、せんせいはコピー機を多用する。
その他、気になった話題、日比谷松本楼の奥さんは元「それいゆ」のモデル かわいい女子への褒め言葉は「ラブリー」。オザケンと、内藤ルネが一つに....
僕の雑感として、中原淳一と内藤ルネの役割が未だにごっちゃになったままですが、楳図かずおのキャリアの始まりとして、少女向け恐怖漫画がかなり早くに始まりますが、その前段階に、少女向け雑誌で恐怖小説というジャンルがあったらしい、そこから、漫画へということで楳図さんの出番が来ます。そういうとき、かわいい女の子のあるモチーフとして中原淳一と内藤ルネが居たんじゃないかな?ってものが見えた。 「新宝島」を手塚と作った酒井七馬という人の話もありますね、それを思うと、漫画は手塚が作った話にどうも抵抗があるし、いろいろ気になるところ。
内藤ルネさんの可愛いイラストだけでなく、こしらえた家具やインテリア、薔薇族の表紙を眺めていると、ジョン・ウォーターズが、浮かぶ。内藤ルネさんってそういう人なんだなぁ。
最後に一つ疑問。せんせいは受けなのか?攻めなのか?
楳図かずおトーク&ライヴイベントのメモ
新宿タワレコのインストアで楳図かずお「闇のアルバム」サイン会と歌唱ショーがあると聞いたのでいく、今になって生で楳図せんせいの歌声を聴く会があるのは大変まれなので足を運ぶ。 歌はこころ。 今なかなかこういう歌声が出せる歌手って居ないですね。美輪明宏や、野坂昭如、川西杏などの音楽を聴いてもそう思う。 ソニー・ミュージック・エンターテイメントもやるなぁと久々に思いました。売れるCDじゃないかもしれないけど。。。 サイン会は前回の時と同じくあらかじめサインした色紙を配る仕組みでした。 うーん。 ここ数回、楳図せんせいのサイン会に行くときは「わたしは真悟」をこっそり持っていくですが、駄目ですね。いつかサイン入りにしたいのですが...
僕は今僕の知る漫画家で最高の漫画家は楳図かずおだと思いますよ。いや勿論、好きな話も嫌いな話もあるけど(漂流教室や、まことちゃんはあんまり好きじゃないんですよね。) しかし、それに気づいたのは20才過ぎてでした。
それまでは、「キン肉マン」「ジョジョ」「アキラ」「さるまん」と、ジャンプやスピリッツの漫画を月並み読んでいたんですが、 最初は、「悪魔の右手、神の左手」「14才」はなんとなく連載読んでいて、原宿ラフォーレで「ウメカニズム展」に行き「わたしは真悟」のドット絵の原画を見て「わたしは真悟」の再発を待ちわび、大友克洋が「アキラ」で、「わたしは真悟」からきてるシーン(※1)に気づいて驚いたり。そういうわき道もありながら、物語をストレートに読んでひどく関心した。
※1:「アキラ」で鉄雄の体が膨張しかけて、米軍軍艦を乗っ取り、船員を殺し、宇宙に飛んで、人工衛星SOLからレーザーを打つシーンって、 「わたしは真悟」で、真悟がマリンに会おうと、船に乗り、目が丸くなり、船員を殺し、人工衛星に乗り移り、衛星の破片を飛ばすシーンは、すごいそっくり。 大友の楳図リスペクトにしか見えない。しかし、大友が楳図って意外性はあるものの、「アキラ」全体「わたしは真悟」焼き直しだったのかもしれない。
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