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yamauchinamu

news / data:2004/05/31 (Mon)

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2004/05/31 (Mon)

東京都現代美術館でオノヨーコと再考近代日本絵画を見た。
あと目黒美で小林孝宣さんの展覧会も見た。

小林孝宣さんの絵はヌルヌルした光の質が不完全な3dポリゴンみたいで変に感じるのは相変わらず、ヌルヌルした質感の図像なのに使う絵の具はガサガサしていることもあるけど解像度の話で離れてみればヌルヌルしてればいい。しかしこの方の絵はキャンバスを使う必然性が相変わらずわからない。
展覧会の副題「終わらない夏」なのか「小さな死」とか、「終わらない夏」はサーフィフィン映画「エンドレスサマー」で、「小さな死」はバタイユのそれを引くけど、バタイユの「小さな死」はセックスのことで小林さんの指すのはバタイユのそれを指しつつも睡眠を小さな死と指したいのだろうな。

 再考近代日本絵画はひとまず都現美だけ、しかし芸大の権威って物は今では崩壊したけど、今になってみてれば芸大の作品ってのは変な癖があってあんまり外部に出なかったと思われる作品も出てきてみられたのは、好奇心的に面白かった。戦前の芸大の油絵ってのは先端のメディアで色々気を負うことも多かったんだろうと想像したけど、そんなこと今になってみればどうでもよかったりする。今の先端メディアもそういうことになるだろうな。
 山下菊二「あけぼの村」は10年前はアングラ日本の絵画だったのに今では歴史になったんだなぁと思ったり、こんな日本美術再考みたいな展示が30年後でもあると、幼稚な白昼夢の時代コーナーとか2000年前後で出来るんだろうな奈良美智とかヒロミックスとか並んだようなコーナーが出来るんだろうなと思った。嫌いだけどな!
 カタログは買った。東近美であった「20世紀美術がのこすもの」とセットで見比べたい。
あと今までずっと作者が分からなくて分かった絵があって嬉しかった。川端龍子「爆弾散華」です。僕の一番好きな戦争画です。

あとオノヨーコ。基本的に僕はフルクサスは好きでありません。パフォーマンスもそんな好きなことはないんだけど、理由は展示物のよみどころが少ないから、(だけどブルース・ナウマンやヴィトアコンチは好き。よみ所がまだあるから)
だけど、オノヨーコいい作品もあった。いや世界的アーティストの回顧展だからあっていいんだけど、
いや良いところは、なんか急に起きた問題提起があって準備は整わないけど、どうしてもやらなくてはいけない。そんなアートもあって。オノヨーコの反戦関連のパフォーマンスはベタだけどいいんじゃないか?と思った。
あと展示中ですが、もう済んだ話「モテたい」とかいってたことは、実はオノヨーコとジョン・レノンの「ベット・イン・ピース」をなんとなく考えて下敷きにやってはいました。ん?こんな話言わないべき?!


あとなんだか、此処数日人の展覧会を見ながら、僕が美術でなんかやってようと思う頃の(美術大学はいる以前の時代の)、僕の気を引いていた美術界のサーガみたいなものをなんとなく考えていた、セゾン美術館の系譜とか、レントゲンの系譜とか、僕が本気で英国かドイツの美術学校に留学を考えていたころのこととか、
いまでは、そういうことの可能性は全て僕には現実的に消えていて、消えているからこそ、今考えられるとか、なんとか、そういう話はまたいつか。。。


  
Up, Up and Away